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感想/ジャンル入り乱れ/ネタバレ注意/半分は妄想
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続きからにロロの小話ひとつ。4話時点での捏造というかルルーシュへの独白みたいな感じです。理想ばかり。

ロロ、と彼が優しい声音で自分の名を呼ぶ。その瞬間が好きで好きでたまらない。兄さん。僕の兄さん。たった一人の家族。
本当は彼の持つ優しさや与えられる慈悲は全て今ここに居ない妹へ向けられたものだと知っている。それでも今だけは自分のものだ。僕がもらった。僕が名前を呼ばれた。僕が兄さんに微笑みかけてもらった。真実はそれだけで良かったし、事実それは間違いではない。兄の気遣いや優しさに触れるたび、この人が今は居ない妹を心から大切にしていたのだろうと嫌でも感じた。うらやましい、と思うのかどうかは判らない。ただ純粋にその優しさには戸惑った。嬉しい?笑いかけられ名前を呼ばれて。それだけだけれど。
自分を偽るのも誰かを騙すのもすでに体に馴染んでしまった習慣のようでなんの違和感も感じない。けれど一つの任務でこれほどまでに誰かのそばに居たことはなかった。優しくされることも。

ねぇ兄さん。僕はどうしたらいいのかな。貴方が差し出してくれる手を失うのが怖い。この任務が終わってしまうことが怖い。また僕はひとりになってしまう。それまで独りは怖いことではなかった。ああでも貴方に出会ってしまったら。人と食事をすることがあんなに穏やかな気持ちになるなんて知らなかった。おはようやお休みなんてそんな些細な挨拶で一日が幸福に包まれてしまうなんて!
無くなってしまえばいいのに。この世界全部無くなって、兄さんと僕だけ残ればもう何にも怯える必要は無いのに。兄さんが一番大切なのに兄さんが一番恐ろしい。もし明日目が覚めて兄さんの記憶が戻っていたら。そう考えるだけで発狂しそうになるなんて貴方は知らないでしょう。兄さん。兄さん。兄さん。何度も何度も名前を呼ぶ。その中の一つだけを声に乗せれば向かいに座る彼はすぐに気づいて緩く笑った。どうしたんだ、と優しく尋ねる声。

「兄さんはずっとそのままでいてね」

冗談に聞こえるように言えば不思議そうにしながらも僕の頭を撫でてくれた。兄さんの手のひらは暖かいね。

だからもう。


(何も思い出さないで!)



4話時点で捏造ロロ。
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