見終わって暫くした後にランスロット内のルルーシュの気持ちを考えて愕然とした感じです。
そんな感じの行間読み。
後の感想はシュナ様に全部持ってかれて正直あまり覚えて、いない!
とりあえず小説どうするか考えます。
衝動だけで吐き出された言葉に翡翠の瞳が赤く縁取られるのを絶望的な気持ちで見ていた。生きろ、だなんてそんな当たり前のことを命じなければならない事実と、簡単にそれを放棄しようとした彼が憎く、同時に悔しくて堪らない。世界はお前にとってそれほどまでに価値の無いものだったか。築き上げたものも、関係も。そんなに簡単に手放してしまえるほど軽いものだったか。
ほんの数時間前まで学園で友人たちと楽しそうに過ごしていた彼の姿を思い出す。向けられる賛辞を純粋に喜ぶ彼を見て自分の考えの高慢さを知り悲しくなると共に安心もしたのだ。彼にも護るものが出来た。それがナナリーでなかったことは酷く残念なことだけれども、ユーフェミアだって大事な妹の一人だ。何よりそれが彼の生きる理由になればいい。そう自分を納得させ、なんでもない風に微笑んだと言うのに。
どうして。
お前の世界はあれだけではいけなかったか?俺と、ナナリーと。それだけではいけなかったか?彼を護りたかった。七年前、不器用ながらも確かに自分たちへ手を差し伸べてくれた彼を、今度は自分が護る番なのだと思った。好きだった。大切だった。ナナリーと共に笑っていてくれたらと何度も願った。それなのにどうしてお前は死に急ぐ。奪う悲しみを知り、荒野で足を止めたお前は、それでも残されるものの悲しみを知らない。大事な存在に勝手に置いていかれたときの絶望を、お前は。
お前の罰は生き続けることだ。高潔な死で償おうなんて考えは傲慢で吐き気がする。生きろ、スザク。どんな無様でも最後まで足掻いて縋ってくれ。
彼が好きだった、不器用で意地っ張りでがさつで、それでも優しい彼が好きだった。共に過ごした年月は余りにも短くともすれば途切れてしまいそうな繋がりだったけれど、手の暖かさを今でもちゃんと覚えている。
予想外の行動を咎める通信を一蹴した叫びにそれが自分が望んだゆえの偽りだとわかっていても笑みが浮かぶのは押さえられなかった。そうだ。生きるんだ、スザク。それはきっと酷く歪んだ笑いだっただろう。コックピットの奥に押し付けられた体制のせいでランスロットを操るスザクに向かい合うような格好になったことに感謝する。涙はもうない。命令に従いただ前だけを見続けているスザクに奇妙な安心感があった。
生きて、どうか生きて。そしてもう二度と
(俺を、おいて、いかないで)
2007.03.03.
それとも彼はあの時とっくに死んでいたのだろうか。